2012.07.01
坂井
「空き家対策特別措置法」施行、その後について
6月に「空き家対策特別措置法」の施行に関するブログ(こちら→)を掲載しましたが、その後の状況について取り上げてみたいと思います。
まず、大きなニュースとして、10月26日に神奈川県横須賀市で全国初の「空き家対策特別措置法」に基づき、行政代執行による『特定空き家』の強制撤去が実行されました。
http://realestate.yahoo.co.jp/magazine/corp_reexbrain/20151028-00000001
ついに行政も実力行使を行ったわけですが、このケースでも実際に家屋の倒壊による危険な状況が危惧され、近隣住民の安全を守るために横須賀市が先陣を切ったものといえます。
現実に『特定空き家』に認定される建物は、倒壊等の危険が大であると思われます。
私が仕事で売買に携わったケースでも、古家の屋根が傾いて瓦が道路の上に滑り落ちているような状態の空き家もありました。もちろん、すでに買主様によって解体され、新しい家が建てられている最中です。
このケースでも、ご近所の方は長い間空き家であったこの古家の存在に危機感をつのらせており、売却が成立した時は、一緒になって喜んでくださいました。今後は、全国の各自治体でも続々と取り組みが実現していくことが期待されますが、以前のブログ(こちら→)で説明したとおり、対象となった『特定空き家』の所有者は、撤去命令に応じなければ50万円以下の過料、調査を拒んだ場合は20万円以下の過料を科せられる恐れもあります。
現実には、『特定空き家』の所有者が確認できないケースも多々あることとは思われますが、所有者が明確であれば、身内から相続はしたものの自分では住んだこともない家について、突然行政から『特定空き家』の所有者として勧告・指導を受けてびっくりするような事態も起こるのではないでしょうか。
岡山市でも「空き家情報バンク」制度が制定され、空き家の有効活用を促進するための取り組みが進んでいます。
その他の地域でも、行政ごとの取り組みで『特定空き家』の撤去に関する解体費用の一部を補助金として負担する市町村も増えつつあるようです。
ただし、行政が主体となって取り組むことについても内容にばらつきがありますし、軌道に乗るには相当の時間が掛かることと思われます。
また、所有者にとって有利な状況となるばかりではなく、今後は勧告、撤去命令、過料の適用も次々に実行されていくのではないでしょうか。まずは、使っていない家屋等の不動産をお持ちの方、相続する可能性のある方などお心当たりのある方は、ご自身でそれらの不動産の活用・処分等を検討できるように、早めに不動産会社に相談し、慌てずゆとりを持って対策を講じられることが肝心だと思います。
山陽地所株式会社
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- 坂井