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2017.10.30

坂井

連帯保証人の債務上限等、不動産業界を取り巻く劇的変化!

最近の話題として、不動産取引に関する様々な法律等の見直しが進んでいます。

例えば、明治29年に制定された現行の民法を実に120年ぶりに見直して大改正を行い、2019
年の秋を目処に施行される予定です。
その中でも、特に賃貸借契約に大きな影響を及ぼすと思われる、『連帯保証人の保証額債務上限の設
定』が含まれています。

これは噛み砕いて説明すると、”保証人が個人であった場合に、従来の連帯保証債務は不特定の債務に
対して、保証人契約者と同等の責任を(不特定かつ無制限に)連帯して負っていましたが、今後はそ
の保証について上限を設ける”といった内容です。
例えば、保証人は契約者本人の家賃未納だけではなく、賃借している物件の入居者過失による破損、
汚損や、失火等による原状回復義務まですべてを(無制限に)連帯保証していましたが、今後は予め
保証上限の額を○○○円等と定めて保証することになります。

これは一見して賃借人と保証人に有利に思われますが、一概にそうは言えない場合も想定されます。
具体的に言うと、保証人になってもらう際に従来は連帯債務の額など記載が無く、保証人を身内や親
しい知人にお願いするときも具体的な保証金額を気にすることは少なかったと思われますが、今後の
契約書は「金500万円を上限に連帯して保証する。」等と具体的な金額の記載があれば、保証人を
引き受ける立場になってみると余計に不安になり保証人を断りたいと思わないでしょうか?

今後は、このような法律の改正に伴い、契約書の見直しは当然ながら、より一層の家賃保証会社の利
用等も必須になってくると思われます。

そのほかにもこの10月1日より『ITを活用した重要事項説明(IT重説)』も運用が開始されて
います。
これは、従来対面して行っていた重要事項説明(不動産の仲介を行う業者が、契約締結の前に契約に
関する一定の重要な事項を説明する義務)について、テレビ会議やテレビ電話(スカイプ)等の双方
向通信を利用など、一定の要件を満たしていれば遠隔地であっても説明を行うことが出来るものとし
た内容です。
このことにより、遠隔地から重要事項説明のためだけに仲介会社の窓口に行くための時間と労力、コ
ストの削減が行えます。
しかし、良いことばかりではなく、借主(または、仲介業者(兼管理会社))の人柄を面談で確認す
る、細かいコミュニケーションが取りにくい等の不便さも発生すると思われます。

また、2005年4月から施行されている『個人情報保護法』が改正され、個人情報の取り扱い事業
者の定義が従来より厳格化され、従来は「個人情報によって識別される特定の個人の数」の合計が過
去6ヶ月以内のいずれの日においても5000件を超えない場合、個人情報取扱事業者としての義務
は課せられませんでしたが、今ではほぼ全ての企業が個人情報保護法上の義務を課せられています。

当社も、契約書のファイルを整理したうえで保管方法もより一層厳重な管理体制とし、パソコンのサ
ーバー内のデータもセキュリティ対策を強固にしています。

このように、一般の方にはなじみが少ない事柄も、不動産業界では着実に時代の変化に伴い、様々な
法律の改正、運用方法の見直しが行われています。
これによって、当然に不動産売買(賃貸借)の契約書等の内容や条文も変更していく必要も有ります。
不動産の売買(管理)にはより一層の専門性が求められるのは必然となりますので、今後の不動産の
運用に不安があるようでしたら、是非専門家に相談することをお勧めします。

もちろん山陽地所は、全ての営業担当者が宅地建物取引士の資格を有しており、公認不動産コンサル
ティングマスター、賃貸不動産経営管理士等の充実したメンバーでお客様のお気軽なご相談、ご依頼
をお待ちしています。

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